クリスマスに読む一冊
第二十五夜

にぎやかなパーティーもいいけれど、聖なる夜を心静かに迎えたい…

クリスマスのはじまり
(原題「THE FIRST CHRISTMAS」)
レイチェル・ビリントン 作 バーバラ・ブラウン 絵 太田愛人 訳
発行 佑学社


「今日、ダビデの町に、あなたがたのための救い主がお生まれになりました。救い主は、主なる
キリストです。布にくるまって、飼い葉桶の中でねむっている赤ちゃんがその人です」(本文より)

数ある聖誕物語絵本の中でも、とりわけ装丁と絵が美しかった本です。文章はほとんど聖書からの
引用なので、子どもや、聖書に詳しくない人には少し難しいかも知れませんが、絵だけ見ていっても
充分にその美しさ、清らかさを堪能できることでしょう。優しい色で丁寧に書かれた絵を見ていく
と、マリアとヨセフが貧しい生活をしていること、イエスの誕生に最初に呼ばれた羊飼い達が二人
よりもさらに貧しく家もない生活であること、星に導かれてやってきた三人の博士達が各々白人・
黒人・黄色人であることに気づきます。クリスマスの聖誕物語とは、単にキリスト教固有のもので
はなく、女性と子どもと貧しい人々への賛歌であり、世界の融和と平和を願う物語でもあるのです。