クリスマスに読む一冊
第二十二夜

にぎやかなパーティーもいいけれど、聖なる夜を心静かに迎えたい…

聖なる夜に
(原題「A Small Miracle」)
ピーター・コリントン 作
発行 BL出版


クリスマス・イヴの夜だというのにお金も食べるものもない、貧しい辻音楽師のおばあさん。
街に出ても忙しい年の瀬、誰も足を止めてくれるひとはいません。仕方なく大事な楽器を
質に入れて手に入れた金もひったくりに奪われ、おばあさんは雪の中に倒れてしまいます。
その時、遠くから駆けつけてきた小さな影。それはいったい…だれ?

本屋さんでひと目惚れした絵本です。コマ割にしてしまうのがもったいない程の緻密で繊細な絵で
語られる、クリスマスの小さな奇跡。一見コミック絵本のようなのですが、ふきだしはもちろん、
文字がいっさいない「字のない絵本」であることが、この絵本がかもしだす「静謐さ」をいっそう
際立たせています。物語としては「かさじぞう」みたいなお話なんですけど(爆)、おばあさんを
助けにくる【彼ら】の役割分担がまた個性的で、はまっていて、隅々まで見ていて飽きないのです!
この本はですね、キリスト降誕の話を知っているとまた深く楽しめますよ。キリスト誕生の時に
居合わせたのは聖母マリアとその夫ヨセフと羊飼いとキリストに宝物をささげにきた三人の博士だとか、
ヨセフの職業は大工だったとか(^^)。隅々まで描き込まれた絵と愛らしい話を堪能してください。