クリスマスに読む一冊
第十八夜

にぎやかなパーティーもいいけれど、聖なる夜を心静かに迎えたい…

クリスマスの天使
(原題「The Bird's Christmas Carol」)
ケイト・ウィギン 作 谷村まち子 訳
発行 偕成社


クリスマスの朝に生まれた少女、キャロル。裕福な家庭、優しい両親と祖母と三人の兄に愛されて
何不自由なく育つかと思われた彼女は次第に病気がちになり、十歳にも満たぬうちに余命を宣告され
ベッドの上の生活を強いられることになります。しかしキャロルは、生まれながらの素直さと優しさで
決して悲観的になることがありませんでした。何よりも他人の喜びを自分の喜びとしていたキャロルは
彼女の11歳の誕生日、クリスマスに、ずっと親しくしていた隣の貧しいラッグルス家の11人兄弟を
招いてクリスマスパーティを計画します。その招待状に、ラッグルス一家は大騒ぎで準備をはじめて…

子どもの頃、一番好きだったクリスマスの物語です。「クリスマスの精神」の申し子のようなキャロルは
大人の目から見るとちょっと良い子過ぎるきらいがありますが、それを差し引いてもこの本にあふれる
子どもの無垢な幸せと、クリスマスの豊かさにはワクワクさせられます。パーティに招待された貧しい
一家が付け焼き刃で身なりやお作法を覚えようとするドタバタぶりは爆笑。素直で美しい物語です。