クリスマスに読む一冊
第十六夜

にぎやかなパーティーもいいけれど、聖なる夜を心静かに迎えたい…

シンデレラ・ガール
(原題「Das Madchen in der Glaskutsche」)
リザ・テツナー 作 塩谷太郎 訳
発行 金の星社


あと2日でクリスマスという寒い吹雪の夜、ロンドンの貧民街の少女ジェニファーは、大金入りの
札入れを拾います。”このお金があれば、寝たきりのお父さんに薬を買ってあげられる。私のコート
も買える。何より、お腹いっぱい食べられる…”しかし彼女は、その札入れを交番へ届けます。そこ
で出会った新聞記者が書いた彼女の記事が、やがてロンドンのあちこちに愛の灯をともして…

ジェニファーがいろんな人の好意であっという間にシンデレラのようにキレイになるまでの前半、
そして彼女がそれをステップに友人チャーリーの働くサーカスで舞台を踏むまでの後半にわかれて
います。前半はきらびやかで読み手を惹きつけますが、魅力はさながら”お姫さまになった後の
シンデレラ”を思わせる後半にあります。クリスマスの魔法は確かにある。でも本当に大切なのは
その魔法を呼び寄せるのも、生かすのも自分自身だということ。ジェニファーを見ているとそう思えます。