コロボックル物語シリーズ
佐藤さとる・作 講談社・発行   

 コロボックルとは、アイヌ語で「蕗の葉の下の小人」を意味する言葉です。
 日本児童文学のコロボックル…といえばこのシリーズ作品を思い出すのは私だけではないはず。
 頭の回転がすこぶる早く、その動きといえば走れば人の目には留まらないほど、
 普通に喋っていても人間の耳には聞き取れない早さの、ちいさな人たち。
 日本の片隅でひっそりと暮らしてきた彼らが、戦後まもなく田舎へ帰ってきた青年と出会う…
  そして、物語は始まります。


キーワードは「ファースト・コンタクト」(笑)。
誰と誰のって、もちろんコロボックルとせいたかさんの。
そして、せいたかさんと彼女、おちび先生の、です。
コロボックル物語1

だれも知らない小さな国
 はじめの舞台は、戦後まもない1940年代の日本のある田舎。戦争から帰ってきた青年「ぼく」は、 少年時代を過ごした田舎の町に降り立ちます。そこで「ぼく」が訪れたのは、子供の頃の遊び場所だった ”小山”。そこには、子供の頃に出会った大切な、そして信じられないような秘密がありました…。

(1)から少なくとも5年以上が経った頃の物語。
文章の視点はせいたかさんからコロボックルに移り、
それによって彼らの生活がかなり詳しく分かるようになります。
コロボックル通信社のメンバーは揃って魅力的。
彼らは今後の物語の中でも重要な位置を占めるようになります。
コロボックル物語2

豆つぶほどの小さないぬ
 コロボックルの先祖が飼っていたという素早くて賢い「マメイヌ」。それが今でも生きている…? スクープを狙って、コロボックル通信社の通信員たちが動き出します。コロボックルの若者たちの活躍を 縦糸に、はるか昔に失われたコロボックルの歴史を横糸に、鮮やかに描かれるコロボックルの「世界」。

おチャ公登場(^-^)
この巻で、せいたかさん一家を除く「一般の人間」の世界と
コロボックルの世界の境界というものがかなりはっきり現れてきます。
そのせいか、中盤ちょっと寂しくなったりして…
でも、ラストシーンはとても好き。明るい夕暮れを思わせる良いシーンです。
そして何が好きって、せいたかさんの娘のおチャメさんが可愛いです♪
コロボックル物語3

星からおちた小さな人
 せいたかさんと出会い、人間の世界と深く触れあって、コロボックルの世界は次第に変化を 見せ始めていました。学校、新聞社などができ、コロボックルたちはその旺盛な好奇心をどんどん 伸ばしていきます。その中で、「空を飛びたい」と願ったコロボックルが発明した小型ヘリコプターが テストパイロット中に落ち、乗っていたコロボックルが人間の男の子に見つかって…!

おそらく再読回数が一番多いこの巻。
お年寄りと子供のコンビっていうのが好きなんです。
ツムジイとタケル少年の初対面での自己紹介がツボ(笑)
こんなお爺さんが小さい頃からついてくれてるタケル少年がうらやましいぃ!
…と思ったのは私だけではないはず(笑)
コロボックル物語4

ふしぎな目をした男の子
 人嫌いとつむじまがりが高じて(?)町中の公園の木に住みだしたツムジイ。ある日、公園にやって きた赤ん坊が人間には見えないはずのコロボックルの素早い動きを「見て」いることに気づき、 彼の成長を見守ることになります。生まれながらにしてコロボックルの「友達」の資格を持つ伸びやかな 少年と、コロボックルのツムジイの友情と、幼いものの成長の物語。

杉岡正子さん登場。
実はシリーズ登場人物の中で、一番理想の女性が彼女だったりします(^-^)
シリーズ再終巻で彼女が出てきたというのは、とても大きなことですよね。
現実とフィクションの交錯度も高く、不思議なトランス感が味わえる一冊。
ラストシーンが最高です。
コロボックル物語5

小さな国のつづきの話
 学校を卒業し、図書館で働き始めた正子。彼女は小さい頃に見た「立って歩くカエル」を心のお守りに していました。そんなある日、図書館にやってきた少年がある本を指さします。引き込まれるように その本を読みはじめる正子。その本こそ、「だれも知らない小さな国」から始まる「コロボックル物語」シリーズでした…。

コロボックルの昔話オムニバス9編。
個人的に、本編にも出てきた「藤助」の物語を読めたのが嬉しかったです。
そしてやっぱりファンなら見逃せないのが「余話」。必見です。
コロボックル物語 別巻

小さな人のむかしの話
 4巻に登場したツムジのじいさまが語る、コロボックル一族に伝わる「昔話」9編。ツムジイのあとがきや、 「コロボックル物語余話」など満載の1巻。

注記》「コロボックル物語」シリーズは、ハードカバー(¥1200(税別))と
青い鳥文庫(値段未確認。¥600位?)、いずれも講談社から発売中です。
お求めの際には、シリーズ名よりも、各巻の作品名でお探しになられた方が良いでしょう。

おまけの
コロボックル用語辞典
…というか、もはやカルトクイズ…(滝汗)
(現在1、2、4巻を網羅ずみ)