十 二 夜
Twelfth Night
 
 

  

1996年イギリス/監督:トレヴァー・ナン
出演:イモジェン・スタッブス ヘレナ・ボナム・カーター ベン・キングスレー
私が最初にシェイクスピアの「十二夜」を知ったのは日本人が演じる舞台を見たのがきっかけで、 その後2番目に見た「十二夜」がこの映画です。

この映画は…とにかく私は大好きなんですが、なぜかというと、うーん、まずは俳優陣かな。

歌も歌う道化役をベン・キングスレー、ヴァイオラを女と知らず恋するオリヴィア姫をヘレナ・ボナム・カーターが演じていますし、 主人公のヴァイオラをはじめロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの俳優たちが多く演じていて、 イギリス俳優が好きなかたにはたまらないでしょう。

そしてロマンティックな音楽もすばらしい!私が好きなのは「O,Mistress mine」。ヴァイオラと公爵が道化の歌を聞きにいく シーンでの道化の歌も好き。思わずサントラ買ってしまいましたよ…。シェイクスピアって音楽がたくさん出てくるんだよなあ、と 改めて思いました。なのにどうして他の映画では無視されているんでしょうね?

「十二夜」にいくつかある見せ場のシーン…オリヴィアの「美しさの財産目録…」とか、ヴァイオラが公爵に 女性の愛を語る所とかもきちんと入ってます。特に後者のシーンは好きかな。自分のことを他人のことのように話す ヴァイオラがけなげで、かわいそうで。ヘレナ・ボナム・カーター演ずるところのオリヴィアが、 地位ある女性としてのプライドをかなぐり捨てて男装のヴァイオラに取りすがるところとか、かわいそうだけど笑ってしまった… ホントこの話は悲喜劇ですね(笑)。あ、ただ、年代はシェイクスピアの時代ではなく1890年代くらいだそうです。 でも全然気にならなかった。まあ現代人から見たら17世紀も19世紀も昔という枠でひとくく…げほごほ(^^;

それにしても、船が難破して財産どころかたった一人の家族も失いながら、誰に頼ることもなく、姿を変えて仕事を見つけて自活する ヴァイオラ…こんなに自立心あふれたたくましい女性像というのが、あの時代にあったことが驚きです。当時の一般論では絶対ありえないと 思うんだけど。たぶん、こんな所が、シェイクスピアが単なる劇作家ではなく、先進的な教養にあふれた知識人ではないかと 取り沙汰される「シェイクスピア別人説」の元になっているんでしょうな。