ナルニア国物語 第一章:ライオンと魔女
The Chronicles of Narnia
The Lion, The Witch and The Wardrobe
 
 

 

2006年アメリカ/監督:アンドリュー・アダムソン
出演:ウィリアム・モーズリー アナ・ポップルウェル 他
映画です。でずにー配給のアレです。

原作の重要な部分を変更したりしていて「いいの?それいいの?」と思った部分もあり、何か物足りない印象も受けましたが、 全体的に見ればじゅうぶん魅力的でした。他の原作つき映画の評価と比べれば、だいぶ甘めの感想かも知れません。 長いこと原作を読んでいないので詳細を忘れてしまっていることと、原作そのものの輪郭の曖昧さが、「なんでもあり」を 許しているような気がします(私が)。

絶妙なのは配役。写真で見た時は「可も不可もなく」といった印象だったのですが、動いてるほうが断然魅力的でした。 最近の映画版「ピーター・パン」でも見られた、子どもでも大人でもないティーンエイジャーの不安定な艶が満載です。 …いや、そういうふうに見えたんですってば私には!(笑)

ナルニアに四人そろって足を踏み入れるシーンには心がふるえました。
タムナスさんが家に入って足踏みをして雪を落とすシーンに興奮しました。
エドマンドが冒頭でお菓子につられて兄妹を裏切るシーンと、後半で他人をかばおうとする一心でアスランの居場所を言ってしまうシーンの表情の違いに内心でうなりました。
ルーシーの愛らしさ、スーザンの頑固さ、ピーターの年長ぶっているくせに優柔不断な所には魅せられました。あと、アスランの声にも!
さすがマスター・リーアム。バットマンの時といい、なんて「指導者」の役が似合う人なんでしょう。声だけでも(内心で)黄色い声をあげた私(笑)。
ラストシーンは原作と違ったけど、心打ちぬかれましたよ。ディゴリーこと教授の「Try me」の一言で終わるなんて、にくいわ。

以下、難点です。隠します。難癖つけられるのが嫌なひとは見ないでね。


・冒頭があれですか…。もっと荘厳な音楽で始まってほしかったです(涙)。しかし、このオープニングは何のための伏線なのか、今ひとつ分かりませんでした。 エドマンドがひねくれてたり、ピーターがピリピリしてるのは戦時下の緊張のせいとかそんなこと言わないよね。終盤に同じ台詞が出てくることで兄弟関係の変化を示したかったの だろうとは思いましたが。
↑と思ってたら、後日、某雑誌の特集記事を読んで納得。原作が出版されたのは第二次大戦後すぐの1950年。「戦争のための疎開」と一言書けば、読者がその背後にある 戦争の厳しさや辛さを察してくれる時代だったそうです。今ではそれは通用しないので、あのシーンで始めたのではないか?ということで…なるほど…!
じゃあもしかして、ピーターがリーダーシップを取ってたりエドマンドがテンパってたりするのは、本当に戦争が背後にあったからだった…のでしょうか!?うわあ、だとしたら、目から鱗…! (そんなふうに解釈したことはなかったのです。ああいう子どもたちだと思ってた。←その方がひどいか…。)


・クライマックスのはずの草原での戦闘シーンが…時間切れだったのでしょうか? まるでリアルな3DのCGゲーム画面(泣)。「ロード・オブ・ザ・リング」に関わった WETAが参加してるって聞いてたので、期待してたんですけど…。

・原作で美味しそうだったご馳走の描写やエドマンドの騎士叙任が削られたのは置いておくとしても、白い魔女があまり怖くなかったのは、 ディズニー配給だからといってもどうだろう。子どもは怖いものは怖いとちゃんと知っていると思いますが? それとも海外の子どもは あの魔女を怖がるのでしょうか…。(海外の怖いものってちょっと文化的な違いがあるもんなあ)

以上、難癖でした(笑)。おとなげなくて、すみません。

まあ、ナルニアって指輪物語のように設定が微に入り細に入りがっちり決まってる世界ではない、ある意味 イメージの世界という感じがするので、作り手の思うナルニアだと思えばそんなに違和感はなかったです。我が侭な要望も 「もう少し何かが欲しい!」というファンの欲張りですな。